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Column#20 肩から上肢にかけてのしびれ

Column#20 肩から上肢にかけてのしびれ

 

今回は長年肩から腕のしびれを抱えていた患者様の症例をご紹介します。

 

45歳女性 去年より腰痛でいらしていた患者様で腰痛はメンテナンス期間に入り月1度ご来院

数年前から年3回ほど発作的に肩から腕にかけて重だるい鈍痛としびれ。

2、3週間すると治っていく。その間、整体やマッサージ、鍼もいくが治療で治る感覚なし。

今回メンテナンスでご来院時それが発症しており、諦めていたが腰痛が治ったのでご相談を受けました。

 

しびれ=神経障害ではない

腕に限らず脚や手、しびれはいろいろなところで感じますが、現代の医学ではしびれや痛みを神経が

原因としてしまう傾向にあります。

しかし、神経障害が起きると、運動障害や筋萎縮もおきますのでそこでも見分けることが可能です。

また神経の場合、鋭く直線的な電気が走るような感覚ですが、大概のしびれは正座などでしびれる感覚に

近いのではないでしょうか。

これは毛細血管が圧迫されて血流が悪くなりしびれるのですが、

筋膜の癒着がおきても同じようなことがおきます。

 

 

症状誘発検査によりトリガーポイント検出

胸郭出口症候群テスト、頚椎圧迫テストなどの理学検査でスクリーニングし、何もない場合

筋膜のつながりに症状誘発テストを行います。

今回特徴的なのは「バンザイしているとすごく楽」というところでした。

筋膜の癒着トリガーポイントはその場所を縮めると痛み伸ばすと楽という性質があります。

 

 

 

肩甲下筋

 

今回の腕のしびれの原因は肩甲下筋でした。

図を見ていただいても分かりにくい場所ですが、肩甲骨の裏側にある筋肉です。

肩を内側に回したり、腕を水平に上げた状態で前に曲げる動きをしますが一番は肩甲骨を安定させる筋肉です。

小さいお子さんがいらっしゃり、抱っこなどで肩甲骨を安定させるために過度に使ったことが原因で

トリガーポイントができてしまったと推測されます。

 

2週に1回3度でほぼ改善

 

しっかり原因のトリガーポイントを捉えるとしびれや重だるさを感じている場所へ綺麗に症状を誘発(放散痛)

することができました。

そこへ鍼を2本、「響き」が治る15分ほど刺したまま置きます。

その後マッサージによる筋膜リリースも加えセルフケアを指導。

ご自宅でのリハビリも頑張っていただきしびれは寛解していきました。

 

 

まとめ

今回の腕のしびれは肩甲下筋のトリガーポイントが原因でした。

触診が非常に技術のいる場所ですので今まで受けた治療ではアプローチされることが

なかったのかもしれません。

同じしびれの症状でも原因が胸郭出口症候群や頚椎ヘルニアなど整形外科では様々な診断がされると思いますが

投薬と安静の指示のみで改善しなければご相談ください。

きっとどこかに筋膜リリースで改善する答えがあるはずです。

 

sole e mare  滝澤 幸一