Column#6 整形外科では解決しない筋膜性腰痛
今回はめまいについて当院での適応範囲並びに症例を踏まえ解説していきます。
めまいには種類がある
ある程度ご存知かと思いますがめまいの原因になる器官に脳、耳、眼などがありますが
そこに加えて筋膜(筋肉)も原因になる場合があります。
めまいという症状は体のトラブルを知らせるサインの中でも重傷の場合もありますので、必ず検査
を受けていただくことをお勧めします。そこで何もなかった場合に筋膜や筋肉が原因という可能性が出てきます。
めまいに関与する筋膜
首が中心の筋膜ネットが重要になってきます。
首はぐるっと1周筋肉で覆われていて、それに沿った筋膜がたくさんありますので「これ」と
限定することはなくリリースすることが重要です。
筋膜リリースに伴い触ると眼の奥に響いたり、頭痛を誘発する場所がありますがそれはトリガーポイントであり
リリースするべき最重要箇所です。
僧帽筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋・斜角筋・板状筋・半棘筋などにトリガーポイントができることがほとんどで
頭痛、不眠なども同じような箇所の筋膜にできたトリガーポイントが原因になることが非常に多く、鍼治療を
合わせて行うこともあります。
また、筋膜に原因がある場合「病院では異常ない」と診断されることも多いです。
首の機能改善が一番重要
脳、耳、眼などの器官に異常がないにも関わらずめまいがある方の特徴として首の可動域低下、機能不全が
顕著に見られます。
首を動かすとめまいが誘発されたりすることから首を動かさないようにしている方が多いですが
それが逆に筋肉に過緊張を起こし血流を阻害し神経伝達の妨げにもなっていてめまいという症状が
出てしまっているような事が推測ができます。
現に可動域を改善し、アライメント(骨格)をただすと症状がなくなる事例があります。
首の正常な可動域の表です。
鏡の前で確認してみてください。
意義と症状のない肩でも可動域範囲まで動かない方は多いです。
それは機能不全の始まりで、肩こり首こりの原因になり、悪化するとめまい、頭痛などに発展しますので
リハビリすることをお勧めします。
当院のインスタグラムでリハビリを紹介していますので合わせてご覧ください。
症例紹介
55歳女性 15年前からめまいに悩まされメニエール病と診断されて治療するも激しいめまいは無くなるも
定期的にくるめまいは消えず。
随伴症状に頭痛、顎関節症
首の筋肉の過緊張が著しく、可動域はコルセットをしているかの様で体ごと動かして振り向く感じで
上はほぼ向けずうがい等はできない状態。
治療方針:まずは緊張を取り、動き始めたら積極的に動かし可動域を上げていく。
2回の鍼治療で首だけでふり向けるまで緩みが出たので背中から首の脊椎の動きを出すエクササイズを
始め自宅でもリハビリをしてもらう。
5回目ではめまいもほぼなく頭痛も寛解へ。腰までリハビリの範囲を広げより機能的に背骨を動かすように。
月1度程度のメンテナンス継続中。
今回の患者様はメニエールと診断されるもその治療だけでは完全には治りませんでした。
背骨の動きが首だけでなく腰までの広範囲で悪くなっていましたので首を中心に改善させていきました。
それに比例する様に症状も消失していきました。
どんな病気でも体の機能不全があればそれが原因になりえますのでぜひご相談ください。
sole e mare 滝澤 幸一